消化管内科

横山 陽子

私が専門にしている炎症性腸疾患は発症年齢が10代~20代に多く、また完治する疾患ではないため、長きにわたり患者さんの診療に関わる疾患の一つだと思います。そのため患者さんが世代ごとに経験するライフイベントを無事に乗り越えるために診療の中で支える機会が度々あります。また良性の疾患であることから様々なライフイベントを乗り越えたご高齢の患者さんの診療をする機会もあります。消化器内科といえば体力勝負の印象があり、女性は男性よりも体力的に劣る傾向にあるため消極的な気持ちになりがちですが、良い意味で多情多感であり、また女性ならではの優しさと暖かさ、明るさで、診療のなかで患者さんの繊細な気持ちを汲み取ることができ、患者さんを身体的な面のみではなく、精神的な面でも支えることができると思っています。これからは診療においてShared Decision Making (SDM)が必須な時代となっており、女性ならではのコミュニケーション能力が診療に生かせる場であると思っています。
消化器内科学講座にはおおくの女性医師が所属しています。どの女性医師も各々の個性をもって生き生きと医師としての仕事をしている優しい先生です。個々が目指す医師像は違うと思いますが、そのお手伝いができればと思っています、入局を考えている先生がいれば、一緒に頑張りましょう。

今村 信子

私は2016年に兵庫医科大学を卒業し、2年間の初期研修を経て消化管内科に入局しました。元々身内に医療従事者がいなかったこともあり、学生時代から初期研修にかけて進路については悩むところも多くありました。どのような道に進むとしても、女性医師であれば一度はライフプランとキャリアプランについて考えたことはあると思いますが、私は将来結婚や出産、その他のライフイベントでフルタイムの勤務が困難となった場合を考え、選択肢ができるだけ多い科が良いと思っていました。その中でも内科医として外来診療から入院での全身管理を行えること、内視鏡検査を含めた多彩な処置を身につけられることから消化器内科医になることを決めました。
兵庫医大は出身校であり、学生時代から消化管内科で勤務する女性医師の姿を見て、先輩方が様々なライフステージや様々な事情の中で希望に合わせて勤務されていることを知りました。実際に入局してからも医局全体として(実際は男女関係なく)家庭の事情や個人の事情に細かく配慮していただけると実感しております。もちろんキャリアアップの希望も早期から聞いていただけるため、私は入局と同時に大学院に入学し、臨床経験を積みながら研究もさせていただき、4年で学位を取得することができました。
臨床経験についても、大学病院だけでなく、多数の関連病院でも経験を積むことができるため、大学病院ならではの手厚い教育体制の下で内視鏡を含めた手技の基礎を学ぶこともできますし、市中病院で一般内科としてのcommon diseaseから消化器内科専門疾患まで幅広く経験することもできます。早期から将来を見据えて自分に合った働き方を選択できるのは大学病院の医局ならではだと感じています。
消化器内科は内科の中でも緊急処置を含めた手技が多い科で、技術の習得は一朝一夕でできるものではないからこそ、しっかりとした教育体制の下で基礎から学ぶことが重要だと思います。まずは見学、研修で当科の雰囲気を知ってください。是非一緒に働きましょう。

池ノ内 真衣子

私は2021年より兵庫医科大学病院に異動してきました。それまでは市中病院で消化器内科全般の診療を行っていましたが、炎症性腸疾患の分野に興味をもち始め、医師10年目という節目に、より専門性を高めたいと思ったのがきっかけでした。
大学病院というと厳かなイメージがありましたが、消化器内科の先生方はとても優しく迎え入れてくださりました。これまでとは異なった新しい視点で診療に携わることができ学ぶことが多く、充実した日々を過ごしています。
女性医師にとって、職場を選ぶ際に自分のライフスタイルに合わせた勤務が可能かということがとても重要な点になってくるかと思います。消化器内科の医局ではそれぞれのライフスタイルに合わせた勤務時間を調整した働き方や、体力面で不安な場合の当直回数のことも相談にも乗っていただけるので安心して働けます。また、チーム制で診療を行っており、お互い助け合って仕事ができ、バックアップの体制もしっかりしているので、精神的にも身体的にも働きやすい環境であると感じています。
大学病院でしか学べないことや経験できないことはたくさんあります。今後どのようなキャリアを辿るにしても、大学病院、市中病院を含め様々な環境で多くの経験をし、知見を広げることは自分のスキルアップにつながると思います。
職場に同僚が多いと仕事がさらに楽しくなります。是非、多くの女性の先生方と一緒に働けることを楽しみにしています。

池田 仁美

私は、兵庫医科大学を2011年に卒業後、兵庫医科大学消化管内科へ入局しました。入局後に結婚・妊娠・出産を経験し、現在3人の子供を育てながら働いています。産後の働き方は教授、医局長と相談しながら非常勤や時短勤務などで無理のない働き方を提案していただき、充実した日々を送っています。
子供の乳児期は発熱等で急な休みをお願いすることも多く、迷惑をかけることが多々ありましたが、医局員の先生方には子育て中の先生も多く、当たり前のように協力していただきました。仕事ができる日は自分にできることを精一杯できるようにと日々精進しております。
昨今、女性医師の出産、育児中の職場離れが問題となっておりますが、消化器内科では内視鏡等の手技や診断も身につきますので、短時間しか働けない場合でも外来や検査、検診業務などの活躍の場が多いと感じています。出産や育児中も自身のライフスタイルにあった働き方ができる科であると思います。そして、それを叶えるためには、上司やその他の先生の協力、雰囲気があってこそだと思います。私の同期も女性医師が多く、子育てママ医師としてそれぞれが自分に合ったライフスタイルで働いています。
産休、育休で休んでいる時間があるため、同期よりも経験年数は少なくなりますが、私にとっては長い医師人生を考えると、出産や子育てなどで臨床から離れる寄り道もかけがえのない時間であり、これからも少しずつ寄り道しながら医師としても人間としても成長していきたいと考えています。

女性医師の皆さんへイメージ

肝・胆・膵内科

以前は女性医師の入局は少なかったのですが、最近の入局者11名では、女性医師は5名となっています。いずれも卒業年度に応じ、順調に消化器内科領域の専門医資格取得を進めています。なお3名が大学院に進学していますが、いずれも英文での原著論文を発表して学位を取得しており、うち1名は米国留学中です。また後期レジデントの1名も大学院進学を考えています。当科では女性医師の専門医資格や医学博士取得の過程をサポートします。

北野 紀子

私は2011年に兵庫医科大学肝胆膵内科に入局しました。入局後は大学にて診療の基礎を学び、その後市中病院へ異動し、一般内科診療および内視鏡診療の研鑽を積みました。再び大学に戻ってからは、主に肝胆膵疾患の診療に従事しながら研究にも取り組み、学位を取得しました。

2020年の出産を契機に医局人事を離れましたが、2年後市中病院に消化器内科医師として本格復帰しました。そこでは、がん診療・肝胆膵診療に従事する医師が限られていたこともあり、微力ながら自身の役割を見出すことができました。これらは、肝胆膵内科の先輩方から、肝胆膵疾患のみならず消化器内科医としての基礎を丁寧にご指導いただいたおかげであり、深く感謝しております。

その後、夫の医学留学に伴い、2024年より渡米しました。医局人事から離れていましたが、大学側からの配慮により、私自身も現地のラボで研究に携わる機会を頂きました。また渡米の直前には、大学医局で基礎研究の土台も学ばせていただきました。基礎研究の経験がなかった私にとって、研究生活を円滑に開始する大きな助けとなり、論文という形までもっていくことができました。

2026年に帰国して2児を育てながら医師として復帰し、今後どのような医師人生を歩みたいのか、改めて考えています。約10年在籍した肝胆膵内科では、当時は女性医師が少なかったこともあり、キャリアを維持することの大変さを感じることもありました。しかしながら自身のライフイベントの変化に柔軟に対応できたのは、ひとえに大学からの支援のおかげです。消化器内科には多様な分野があり、ライフスタイルに合わせての専門分野や研究・診療内容を選択することが可能です。消化管内科と肝胆膵内科が一体となって女性医師の数も多く、育児などで一時的に臨床から離れた場合でも、比較的キャリアを継続しやすい診療科であると感じています。今後消化器内科を志す医師がさらに増えていくことを期待しています。