早期消化器癌の治療は、内視鏡での切除や外科治療が中心となります。しかし、腫瘍が増大してリンパ節や他の臓器に転移して切除が困難な場合は、抗がん剤を投与する化学療法が行われます。
当科では内視鏡治療だけではなく、様々な抗がん剤の治療を行っています。大学病院という点を活かし、ガイドラインに沿った治療方法はもちろんのこと、臨床研究にも参加し、常にアップデートした最新の薬剤投与を実施しています。
また、消化器外科や放射線科と常に連携を取っており、化学療法を行って腫瘍のサイズを小さくしてから手術を行う術前化学療法や、手術後に化学療法を行うことで生命予後の改善が期待できる術後化学療法、放射線照射と化学療法を同時に行う放射線化学療法なども積極的に行っています。

対象疾患

化学療法治療画像

主に以下のような腫瘍に対し治療を行っています。

  • 食道癌
  • 胃癌
  • 大腸癌
  • 希少癌(神経内分泌腫瘍、GISTなど)

食道癌

2022年:年間58例(内27例が術前化学療法)

5-FU+シスプラチン、ペムブロリズマブ/ニボルマブ+ 5-FU+シスプラチン、ニボルマブ+イピリムマブ、パクリタキセル単剤、ニボルマブ単剤、ドセタキセル単剤
ドセタキセル+シスプラチン+5-FU など

胃癌

2022年:年間74例(内13例が術前化学療法)

S-1 /カペシタビン+シスプラチン/オキサリプラチン、ニボルマブ(単剤および併用)、トラスツズマブ併用療法、パクリタキセル+ラムシルマブ、イリノテカン、ペンブロリズマブ
S-1単剤療法、ドセタキセル+S-1、など

大腸癌

2022年:下部消化管外科と協同で実施

オキサリプラチン/イリノテカン+レボホリナート+ 5-FU、カペシタビン/S-1+オキサリプラチン、ベバシズマブ・セツキシマブ・パニツムマブなどの分子標的薬の併用療法、ニボルマブ、など

希少がん

神経内分泌腫瘍(NEC/NET):オクトレオチド、エベロリムス、ストレプトゾシン、エトポシド/イリノテカン+シスプラチン、など

GIST:イマチニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ、など